マネジメントと大きく一括りにする中に、育成も重要な要素になってきます。
例えば今の私はプロジェクトマネージャーとして案件を遂行する事を主にしている状況なのですが、同じプロジェクトにビギナーがおりまして、自身のミッションはこの人の育成も含んでいます。
この人材育成というのは、最早語るまでもなく重要なもので、人材難のご時世ですからどれだけ社内や身内から人材を抜擢できたりするかも今後企業の生命線でしょうね。
とはいえこれまた語るまでもなく難易度が高いものでもあります。
私自身も過去の累計で見れば目標まで育成できたと言える実績はあるにはありますが(この場合の目標は対象を一定の役職までキャリアアップさせる、など)、当然ながら百発百中ではありません。
だからこそ今でも、いつまでも暗中模索です。
そんな中ではありますが、基本的に徹底している事はありまして、それはマネジメントに従事するようになってから培ったマインドではなくコールセンターでオペレーターやってた時のマインドです。
□今回のポイント
コールセンターの中でもテレマーケティングなどに代表される「アウトバウンド」コールは、所謂営業要素が強いもので、トークスキル=営業力が鍵になります。
オペレーターとしてもリーダーとしてもSVとしても携わった身からして、大体獲得・成約率の高い人とそうでない人の差というのは顕著だったりしまして、以下のような感じです。
【獲得・成約が出来る人と出来ない人】
・出来ない人(演説家)
所謂ひたすら自分の話だけしちゃう人。架電業務は相手が望んでない訳で、話聞いてくれず即断られたりガチャ切りも多くあります。この「断られる」前提なだけに、断られる事が怖くて相手の反応を待てない、聞けない人が延々と商品説明など一方的に続けるのですが、当然相手は望んだ対話でない=興味がないので全く聞いてません。時間かけて延々と話して(=時間散々使って)、結構ですと断られて疲れてショボンとして終わるケース
・出来る人(聞き上手)
相手の話をちゃんと聞ける人。そもそも架電業務は相手が望んでいない訳で断られる前提です。だからこそ相手の話を聞いて切り返しトークからチャンスを作るので、相手の話を聞く事が出来るほどしっかりとトークを組み立てて、切り返しトークなるスキルも活用できます。また断られる前提=相手の回答を予め想定しておいて、相手の回答(興味ないとか)に対する切り返しトークを既に用意している人ほど慌てず想定通りに対話できるので、冷静に応対できる分獲得にも繋がりやすくなります。
つまりは相手に自分の意思・意図を伝え望みを叶えるためには、最前提がコミュニケーションです。
そのためには相手が話す時間を作りしっかり相手の話を聞かなければコミュニケーションにならず、それはただの「演説」であり、誰もそんな演説に興味ないので結果お互い無駄な時間になる訳です。
だからこそ、上記の「出来る人」で挙げた聞き上手になる事が大きなプラスになるのですが、さらに求められる人物像が以下です。
「話させ上手」
これは、聞き上手だけだと場合によっては、話好きなだけの人とやり取りすると、ひたすら聞く側にまわってしまい主導権を握れない場合があるためです。
話させ上手は、イメージ的に言うと夜のお店などの優秀なキャストなどが良い例です。
上手く相手に”話させて”いるんですよね。
聞き上手と似て非になるもので、話させ上手は聞いている側が主導権握ってるのです。
以前にこんな記事を書きました。
で、結論育成と何が繋がっているの?という話ですが、部下や後進の育成において、どうしても先達は自身のノウハウや考え方を演説してしまいがちです。
もちろん、これも刺さる時は刺さるのですが、ここは育成対象に話させる事が重要だというのが持論です。
その育成対象が発した事に対し、レスポンスしてあげる事で、そこに自身のノウハウや考え方で返すからこそ相手も話を覚えて腹に落ちやすくなると考えています。
テレマなど営業においては、お客様相手にアポ取ったり成約を獲るなどのゴールがあって、そこに向かう為にトークスキルを駆使して辿り着こうとする訳です。
人材育成だって、「ノウハウを語る事」や「自分の考え方を語る事」がゴールではなく、相手が目指すゴールまで辿り着く事が目標です。
そして相手が問題なく成長しているなら何も語る必要は無く、語る必要があるとすれば相手が想定通りに進んでいなかったり目標に向かっていない場合に修正する目的で必要なアドバイスをする場合です。
相手はもちろんお客様ではないですが、部下や後輩だからと一方的に決めつけず、相手が目指すべきゴールに辿り着かせるために相手の話を聞く、ないし中々本音を語らないケースも多々ありますから、そこを引き出した上でクリティカルにアドバイスする。
少なくともこの方が効果的な指導・育成になる、と考える次第です。